2014年7月14日月曜日

日本児童文学:11・12月号-子どものアンテナ への寄稿

このブログを見て、非常に共感をしましたと仰っていただけた方から寄稿の依頼を受けました。日本児童文学協会が発行する『日本児童文学:11・12月号-子どものアンテナ』に掲載予定です。

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子育てと地域おこしとボルダリング  
糸魚川市上早川地域プラン策定委員会生活部 岡崎 学

 私は今、新潟県糸魚川市の上早川地域というところに住んでいます。ここは日本でも指折りの豪雪地帯で真冬には2〜3メートルの雪に閉ざされることも珍しくありません。日本の田舎と呼ばれる地域のほとんどがそうであるように、やはりここでも少子高齢化による過疎化が深刻な問題とされていて、他の地域からの移住者の意見を聞かせて欲しいと地域おこしの会議に呼ばれたりすることもあります。
 我家がこの地域に移住して7年目、この4月には第4子が誕生して6人家族となり、とても賑やかな毎日を過ごしています。毎週水曜には妻とまだ赤ん坊の第4子を連れ、車で30分かけて市内の総合体育館まで行き、そこでボルダリングを楽しんでいます。ボルダリングとはフリークライミングの一種で、ロープを使わずに高さ3~4m程度の岩や壁を登るという、最もシンプルな形のクライミングです。総合体育館には国体クライミング競技の予選が行われた際に仮設されたウォーミングアップ用のボルダリングウォールがあり、妻と私は交代で子どもを抱っこしながら、手の空いたほうが壁を登るというやり方でボルダリングを楽しんでいます。赤ちゃん連れの夫婦で子どもを預けることなくスポーツを楽しむのはなかなか難しいことですが、ボルダリングはそれが可能な数少ないスポーツなのです。週末には小学生の長女や同級生も一緒にワイワイ言いながら登ることもあります。人は猿から進化したのだと教わる一方で、木登りや塀登りが危険だという理由で禁止されている現代の子どもにとって、これほどストレートに原始的な欲求を満たすスポーツは他にありません。
 私は地域おこしの新たな素材として、特に子育て世代を新たに地域に呼び込もうと計画を練っている方々に対し、その計画に具体的な形を与え、さらにそれをドライブさせる原動力のために、過疎地域の利用率の低い施設内に比較的安価なボルダリングウォールを設置することを勧めています。老若男女問わず誰でも気軽に始めることができ、そして病みつきになるほど楽しいスポーツ、それがボルダリングだからです。そしてそんな楽しさを感じさせてくれる場所には自然と大人も子どもも集まるものなのです。

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